トランプ氏「政権運営に混乱ない」 初の単独会見、ロ疑惑も否定

米ホワイトハウスで初の単独記者会見に臨んだドナルド・トランプ大統領(2017年2月16日撮影)。(c)AFP/Nicholas Kamm〔AFPBB News

 米国のドナルド・トランプ大統領と主要メディアとの対立がますますエスカレートしてきた。

 トランプ大統領は特定の新聞やテレビ局を「フェイク(偽)ニュース」の発信源と名指し、「米国民の敵」とまで断じた。米国政治の歴史において大統領とメディアがこれほど全面的に対決し続けるのはきわめて珍しい。

「メディアは事実をねじ曲げている」

 2月16日午後、トランプ大統領はホワイトハウスで記者会見を開いた。会見の主な目的は労働長官候補の発表だった。だが、トランプ大統領は政権発足後の約1カ月の実績についても語り始め、政権が円滑に機能しており、一部の世論調査では政権支持率が55%に達したことを強調した。一方でこうした実績を主要メディアは正しく報じていないと強く非難した。

「ワシントン、ニューヨーク、ロサンゼルスなどのメディアは、国民のためではなく、特別な利益団体や破綻したシステムから利益を得ている人たちのために機能している。メディアはあまりにも不誠実なので、私がそのことを指摘しなければ米国民は大きな被害を受ける」

「メディアは旧態依然とした権力機構のなかにいて凝り固まった状態にある。私はそのシステムを変えて、米国民に真実を知らせたい。一部のメディアは素晴らしいが、ほとんどは事実をねじ曲げてばかりだ」

 トランプ大統領は、政権が短い期間に多くの新政策を実行して国民からの信託に応えているにもかかわらず、ほとんどのメディアは「トランプ政権の混乱や錯乱」ばかり報じていると指摘した。そして、そうした報道はすべて「偽ニュース」だと批判した。

 質疑応答で記者から質問を受けたトランプ大統領は、「選挙期間中にトランプ陣営はロシアの諜報機関との交流があった」という報道を取り上げ、偽ニュースだと決めつけた。特にニューヨーク・タイムズに対しては、トランプ陣営とロシアの「癒着」を報じた同紙の記事はすべて偽ニュースだと繰り返した。