(英フィナンシャル・タイムズ紙 2017年2月20日付)

GM、オペル従業員1万人を削減の方針

ドイツ・ルッケンヴァルデ(Luckenwalde)で撮影されたオペル代理店の看板(2009年9月9日撮影)。(c)AFP/MICHAEL URBAN〔AFPBB News

 通常なら社会党の率いるフランス政府は、国内最大級の事業会社が関わる数十億ユーロ規模の大型合併のニュースが出たならば盛大に騒ぐはずである。数千人規模の雇用喪失につながりかねないM&A(合併・買収)は、特にそうだ。

 だが、「プジョー」や「シトロエン」を生産するフランスの自動車大手グループPSAが米ゼネラル・モーターズ(GM)の赤字の欧州事業を買収する交渉をかなり進めているとのニュースが出た後も、フランス政府は珍しく落ち着いていた。実際、したり顔だったと言ってもいいくらいだ。

「非常にポジティブだ」。政府に近いある関係者はこう言い、オペル買収は一段と大きなフランスのチャンピオン企業を生み出すと付け加えた。PSAの仏キリスト教労働者同盟(CFTC)代表者の1人、フランク・ドン氏は、「これはすごい朗報だ」と述べた。

 アナリストや業界関係者らによれば、フランス側がこのような態度を見せる理由は、雇用削減の圧倒的多数がドイツ、英国、スペインにあるオペルの6工場に割り当てられ、6万5000人いるPSAのフランス人労働者はそれに比べると無傷で済む可能性が高いからだ。

「フランスがこれで敗者になるとは思えない。むしろ(英国とスペインの)周辺工場を合理化する可能性の方が高い」。LMCオートモーティブの幹部ジャスティン・コックス氏はこう述べたうえで、その理由の1つは、フランス政府がPSAの主要株主だからだと指摘する。

 一方、ドイツと英国の政府は、折しも反グローバル化を掲げる過激主義政党がすでに欧州の元工業地帯で台頭しているときに、何千人もの怒れる労働者を抱え込むことになるのを懸念し、雇用維持の保証を模索してきた。