新型ワゴンRの各モデル(筆者撮影、以下同)

 先の日米首脳会談の場では直接議題になることはなかったが、トランプ大統領が自動車分野における日米の貿易不均衡に強い関心を持ち、問題視していることは確かである。

 安倍晋三総理は帰国後にテレビ出演時などで、日米はいま、80年代に貿易摩擦があった状況とは大きく違い、自動車を含めた日系企業がアメリカ国内で製造拠点を持っておりアメリカでの雇用を生んでいることをアメリカ側にしっかりと説明したと語っている。今後は、麻生副総理兼財務大臣とペンス副大統領の間で経済対話を進めるとしており、自動車分野もその中に含まれる模様だ。

 自動車分野での日米間の交渉というと、TPPでの日米二国間協議を思い出す。2013年の二国間協議で米国側が指摘したことの1つが、日本固有の車両規定だった。アメリカ車を日本国内で販売する場合、車両の細部にわたる適合が必要だ。それに伴う書類の作成やコストなどが非関税障壁になっている、という批判だった。

 さらに、アメリカ側は軽自動車をやり玉にあげ、車両規定の見直しも要求してきた。当時はそれを受けて「軽自動車がなくなるかもしれない」といった報道もあった。