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イノベーション
2017.02.17

大辻雄介の教育のIoT思議 第9回:“モノ化”するスマートデバイス
教育現場を変えていくスマートデバイスの新しい形

BY

「中学3年生が1人だけ」を遠隔授業で解消・データ解析で教育を変える

子どもたちというのは大人から誤りを指摘されるよりも友達から教えてもらったほうが、素直に受け入れられることも多くありますし、なにより文科省が今後推進していきたい「主体的な学び」につながります。

教員が一方向的に生徒全員に講義をするのではなく、生徒同士が相互に学びあう環境を実現できるのがクラウド上のノートと言えます。そういった意味でもボールペンで書いたことがクラウドの協調学習アプリというものに残っていくことは非常に重要で、これは「実物ノートの交換」では大きな手間がかかるため実現できなかったことです。

筆者が頻繁に行っている遠隔授業においても有用と考えられます。今までチャットでしか見ることができなかった生徒たちの解答ですが、このPCと市販のアプリを使えば途中式まで見ることが可能になりますし、チャットでは答えづらい長い証明問題の解答も見ることが可能になります。

もちろん遠隔地から添削も可能になりますし、こちらから語り掛ける内容や個別のフィードバックにも深みがでてくるでしょう。遠隔授業というサービスにも生徒の粘着性が高まり、むしろ教室よりも好きであるという生徒が登場してもおかしくありません。

遠隔授業の拡大は離島中山間の教育にも重要です。最近は隠岐だけでなく瀬戸内の離島の実情の話も伺うのですが、中には全校生徒が「中学3年生がひとりだけ」という島もあり、そういった環境にいる学生にとっては「たとえ遠隔であっても同い年の友達と一緒に授業を受けたい」という気持ちがあります。そういった際に、上述の通り「ほかの生徒の内容が見ることができる。フィードバックできる、してもらえる」ということは非常に重要です。

このように教育のIoT化が進めば、より密接な遠隔授業を実現するほかにも、学習データを蓄積していくことで、テストの点数だけでなく生徒が問題に対してどのように答えを導き出したのか、考える過程まで可視化することが可能になります。これにより、教師側に対しては教育改善の必要性がフィードバックされ、生徒側はより個々に合わせた学びが提供されるということが実現していくでしょう。

教育分野という切り口で見ても多くの拡張性があるこのPCは、他分野においてもさまざまなシーンで活躍することが想像されます。「モノのインターネット化」という方向性だけでなく、「スマートデバイスのモノ化」という流れにも今後大いに期待したいですね。

 

<プロフィール>

大辻雄介

大手進学塾・予備校に勤務したのち、ベネッセコーポレーションでICTを活用した教育の事業開発を担当。日本初の無料インターネット生放送授業を行い、当時最大15,000人が同時に受講した。その後、隠岐にある海士町へ移住し、隠岐國学習センターの副長として日々生徒の指導を行う傍ら、島のICT活用を推進している。海士町から離島中山間に遠隔授業を配信しており、リクルート「スタディサプリ」数学講師、ベネッセ「受験算数ウェブ授業」算数講師もつとめる。2016年度、島根県情報化戦略会議委員。

テレビ東京系列「クロスロード」2016年10月8日(土) 出演

 

JBPRESS

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