(英フィナンシャル・タイムズ紙 2017年2月4/5日付)

ネット募金で購入のビーチが国立公園に、ニュージーランド

ニュージーランド南島の先端にあるアワロアの入り江と浜辺(撮影日不明)。(c)AFP/BAYLEYS REAL ESTATE〔AFPBB News

 そこからは息をのむような景色や野生のシカ、真新しい境界フェンスを見渡すことができ、いわゆる核の冬が訪れたときにも大富豪を暖かくしておけるだけの薪を提供できる森がある。

 セントラル・オタゴにある総面積4605ヘクタールの不動産「レイク・ハウェア・ステーション」は、ニュージーランドで市場に売りに出されている、自給自足が可能な不動産の1つだ。

 近年、数が増えているこれらの物件は一般に海外の買い手に向けて販売されている。一部の評論家によれば、資本主義体制の崩壊に対して防衛策を講じる世界的な超大金持ちの間で、新たな流行になっているという。

「我々のクライアントの約4割が米国人だ。彼らはプライバシーと安全、そして美しい田園風景を求めている」。この物件を扱っているサザビーズ・インターナショナル・リアルテイ・ニュージーランドの営業担当者マット・フィニガン氏はこう言う。「サステナブルな不動産はほとんどの場合、自前の給水設備と電源、食物を育てる設備能力を備えている」

 先日、米ペイパルの共同創業者のピーター・ティール氏が、正規の手続きを踏まずに秘密裏にニュージーランドの市民権を与えられた92人の申請者の中に入っていたというニュースがあり、南太平洋に浮かぶ同国への裕福な移住者流入に世間の注目が集まった。その前には、米ニューヨーカー誌が、世の終末に備える裕福な「サバイバリスト」たちのお気に入りの行き先としてニュージーランドを取り上げた記事を掲載していた。

「ニュージーランドに家を買うと言うことは、『まばたきをパチパチし、分かっているから、もう何も言わなくていい』といったある種の合図だ」。米リンクトインの共同創業者リード・ホフマン氏は、「超大金持ちのための終末に向けた準備」と題した同誌の記事で、こう語っていた。