2年前の春節の時期、富士山周辺の宿泊施設は中国人客でいっぱいだったが・・・(写真はイメージ)

 2年前の春節(1月末~2月初頭の時期の中国の旧正月)を思い出してほしい。中国から訪日客が大挙して押し寄せ、各地で「ホテルの予約が取れない」という悲鳴が飛び交ったのはご記憶のことと思う。

 内外の旅行客はもとより、出張者や受験生までもが「宿の確保」に奔走させられた。都心のビジネスホテルの中には、素泊まりで1泊3万円台の値段を設定するところも現れた。ホテル難民の足元を見るホテル側の姿勢に辟易させられたものである。

 だが、あれから2年の月日を経て、今年はちょっと様子が違った。

春節でもホテル投げ売り?

 例えば、1月半ばに舞い込んできた新聞の折り込みチラシ。目を引いたのはその価格だ。静岡県の温泉宿が1泊2食付きで7980円、山梨県の宿は8800円と「お得な宿」が満載である。食事も「カニの食べ放題」や「活アワビ踊り焼き」など大盤振る舞いだ。かきいれどきの春節直前なのに、こんなに安くていいのだろうか。