(英フィナンシャル・タイムズ紙 2017年1月28/29日付)

トランプ氏のツイートで株自動取引、米企業がAIプログラム開発

ドナルド・トランプ米大統領。ホワイトハウスで(2017年1月30日撮影)。(c)AFP/NICHOLAS KAMM〔AFPBB News

 これがいわゆるメキシカン・スタンドオフ*1なのか、それとも米国のリアリティー番組の悪い例なのか。それはさておき先日の米国・メキシコ関係の恐ろしい破綻は、米国が自国を第一に置くようになったことで状況がどれだけ変わるのかについて、とても役立つリハーサルの場を世界中の国々に与えてくれている。

 メキシコは1億2000万人の人口とかなり大きな経済を擁し、米国と非常に長い国境を接している。この国は米国にとって極めて重要だ。だが、多くの材料で米国を脅すことはできない。

 米国が負担を強いられるかもしれない唯一の実質的なコストは、米国の対策が国境の南側で全面的な危機を引き起こした場合に生じる。隣に破綻国家が存在することは不健全であり、その結果、米国への移民大量流入が再び生じる可能性が高い。

 だが、ドナルド・トランプ大統領の次のターゲットは中国だ。中国との交易条件に何らかの変化があれば、世界が揺さぶられる。また、メキシコは米国との貿易戦争に勝てないが、中国は何とか勝てるかもしれない。

 中国を別としても、トランプ氏はすべての保護主義者が突きつけられる問題に直面する。外国為替市場がそれだ。ドル高は、米国の競争力を強化するためのその他すべての対策を帳消しにする恐れがある。すべての国を犠牲にして米国が勝つためには、トランプ氏は為替トレーダーと自国の中央銀行をにらみ倒す必要がある。

*1=互いに銃などを突きつけ合い、身動きの取れない状態になること