(英フィナンシャル・タイムズ紙 2017年1月23日付)

英の南極基地、棚氷の割れ目で閉鎖に 分離と漂流の恐れ

南極半島西部で撮影された氷山(2016年3月4日撮影、資料写真)。(c)AFP/EITAN ABRAMOVICH〔AFPBB News

 南極半島の北へ120キロ行ったところにあるキングジョージ島。アルゼンチンのスサナ・マルコーラ外相は殺風景な湾を取り巻く景色を観察しながら、雪野原から頭を突き出しているギザギザの岩の方を指さしてみせる。

「以前は、1年のこの時期には今よりずっと白かったんですよ」。マルコーラ氏はサウスシェトランド諸島で最大のこの島を最近訪問した際、こう語り、気候変動が南極圏に対する国際的、商業的な関心の高まりをもたらしたと警鐘を鳴らした。

「南極圏が世界にとってより重要な意味を持つようになるにつれ、我々は国の利益を守るためにプレゼンスを強化しなければならない」。外相は同行した記者団にこう語った。「南極圏に起きることは、アルゼンチンに起きることだ」

 アルゼンチンが最初に恒久的に人が住む基地を南極大陸に設けたのは1904年。ロバート・スコット大佐の運命の南極探検の10年近く前のことだ。現在の主な足場は、気候変動が地域に与える影響を含む科学的な研究を手掛けるカルリーニ調査基地だ。

 マルコーラ氏はカルリーニを訪問し、基地の仕事は、広大な領土を科学的な保護区として定めた1959年の南極条約の実行に欠かせないものだと述べた。アルゼンチンは、冷戦の絶頂期に紛争防止手段として策定され、すべての領有権主張を凍結し、軍事活動を禁じた同条約の制定当初の署名国の1つだ。