その日はたまたま午前中のアポイントが入っていなかったのですが、「このすし詰め状態の人たち全員が遅刻か。世の中は大損害だな」なんて考えたりしていました。それでもあまり、車内には気にした様子の人もいなかったので、実は大した問題ではないのかもしれません。サラリーマンの頃の私なら、心中穏やかではなかったはずですけどね。

「突き詰めて考えない方が良い」世界

 思うに私は、サラリーマンを続けるには真面目すぎたのかもしれません。台風の日はいつもより2時間も早く家を出て、膝まで水に浸かりながら会社に行きましたし、病気で休んだこともほとんどありません。律儀に土日に熱を出して倒れ、月曜の朝にはふらふらになりながら出社していました。それが当たり前だと思っていたんです。

 まあ今思えば、その真面目さは何の意味もなかったですね。変な忠誠心とかやる気など持たずに、ポイントを押さえて要領よく振る舞える「不真面目な人」の方がサラリーマンには向いていると思います。上司からの評判こそ、最適化するべきポイントです。良いとか悪いとかではなくて、そういうシステムなんですよね。

「この仕事は、世の中の役に立っているのだろうか」とか「自分の人生にとって今のキャリアは、どういう意味があるのだろうか」なんて突き詰めて考えてしまう私のような真面目すぎるタイプは、起業の世界の方が楽です。こっちは全ての責任を背負って、やりたいことややるべきことをやるだけの、とてもシンプルな世界です。

サザエさん症候群と五月病

 日曜の夕方、サザエさんが始まると明日の仕事について考えてしまい憂鬱になる人のことを「サザエさん症候群」と言います。正月休み明けや連休明けなどに、出社が憂鬱になったりもしますよね。環境の変化も原因と言われていますが、これは新入社員に限らないでしょう。仕事がイヤで辛くて鬱病になってしまう人は少なくありません。