(英フィナンシャル・タイムズ紙 2017年1月11日付)

米ダウ平均、終値で初の1万6000ドル超え

米ニューヨーク証券取引所(New York Stock Exchange)で働くトレーダー(2013年11月18日撮影、資料写真)。(c)AFP/Getty Images/Andrew Burton〔AFPBB News

 米国株式市場の強気派は、名作戯曲「ゴドーを待ちながら」に登場するウラジミールとエストラゴンのように感じたとしても許されるだろう。減税し、企業の規制を緩和するというドナルド・トランプ氏の約束は、同氏の米大統領選出以来、ダウ工業株平均を9%近く上昇させた。

 この高騰によって、ダウはクリスマス前から2万ドルの節目と戯れており、今では大台にいつ到達してもおかしくない状況にある。

 一部の人は選挙後初となる11日のトランプ氏の記者会見がダウの節目突破のきっかけになると見ている。一方で、米国企業の第4四半期の決算発表シーズンが突破口になると考えている人もいる。ダウが2万ドル近辺をうろうろしている中、これが投資家にとって何を意味するか、以下にまとめた。

投資家にとってダウ2万ドルは何を意味するのか。

 この節目の重要性について、投資家の意見は割れている。往々にして切りのいい数が心理的な意味を持つことについては大半の人が同意しているが、上昇相場を維持できるかどうかについては見方が割れる。

 アトランティック・トラストの最高投資責任者、デビッド・ドナベディアン氏は、「市場の進展の節目として、誰もが切りのいい数を好む。だが、アナリストとして、そしてストラテジストとしては、短期的に市場を動かしているプラスの投資家心理に追加の刺激を与える可能性があることを除けば、(2万ドルという数字に)ほとんど意味はない」と指摘する。

 もう1つ、極めて重要な側面は、120年前に創設されたダウ平均は、市場のプロに概ね見限られ、S&P500種指数に切り替えられたということだ。例えば、S&Pダウ・ジョーンズ・インディシーズによると、S&P500に基づくパッシブ運用のインデックス商品に2兆1000億ドルの資金が投資されているのに対し、ダウに基づくパッシブ運用インデックス商品に投資されているのはわずか395億ドルだ。

「S&Pは機関投資家向けで、ダウはその他すべての人向けの指数だ」と証券会社コンバージェックスのチーフ・マーケット・ストラテジスト、ニコラス・コラス氏は言う。