(英エコノミスト誌 2017年1月7日号)

メイ英首相がEU首脳会議に初参加、仏大統領は強硬姿勢

ベルギーの首都ブリュッセルで、欧州連合(EU)の首脳会議に出席するテリーザ・メイ英首相(2016年10月20日撮影)。(c)AFP/THIERRY CHARLIER〔AFPBB News

新首相が何を目指しているのか、半年経ってもはっきりしない――自分でも分かっていないのかもしれない。

 昨年夏の国民投票で英国が欧州連合(EU)からの離脱(ブレグジット)を決めると、それからわずか数時間でデビッド・キャメロン首相が辞意を表明し、3週間足らずでテリーザ・メイ氏がその後継者になった。

 メイ氏は総選挙も保守党内での本格的な選挙も経ずに2016年7月13日に最高権力者の座にのぼり詰めたため、メイ氏の主義主張――メイイズム――はどのマニフェストにも書かれておらず、有権者の承認を得たわけでもなかった。

 だが、新首相がこの国について大望を抱いていることはすぐに明らかになった。ブレグジットを成功させるだけでなく、虐げられた人々が直面している「著しい不公正」を是正するために社会移動性*1を劇的に高め、「西側世界全域を・・・牛耳ってきた自由主義とグローバル化の力を」作り直すと述べたのだ。

 支持者たちは、マーガレット・サッチャーが過去と決別した1979年のそれに匹敵する画期的な瞬間だとささやき合った。野党の労働党が弱体化しているため、メイ氏は一党支配国家の指揮権を手に入れた。自らに託された仕事については、あの国民投票を引き合いに出し、「これ以上無視されるのは我慢できない」人々による「静かな革命」だと語った。

 それにもかかわらず、就任から半年が経過した今日でも、メイ革命には見るべきものがほとんどない。手続き開始の期限まで3カ月を切ったブレグジットについては、戦略は非常に曖昧な言葉でしか公表されておらず、混沌の度合いが増しているように見受けられる。国内問題については、社会を変えるとか資本主義を手なずけるなどと大風呂敷を広げたものの、及び腰の提案しか出てきておらず、その多くはすでに縮小・撤回されている。

 そのため、最近ではこんな疑念が頭をもたげてきている。スフィンクスのように謎めいた首相が自分自身の計画についてあれほど慎重なのはなぜか。ひょっとしたら、計画の策定にまだ手間取っているのではないか――。

*1=社会内の1つの階層から別の階層に個人が移動できること