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イノベーション
2017.01.12

ドイツのIoT最前線は「アジャイルな組織」への変革

アイデアと意志を持った従業員を自由に暴れさせよう

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変革その2:新しいことを考える場を創る

 IoT時代を特徴づけるのが、「共創」や「PoC」といったキーワードである。他社や異業種を巻き込んで素早くコンセプトを実証し、サービスを随時改善していく方法論である。オープンイノベーションアジャイル開発として、IT業界では既によく知られた方法論であろうと思うが、それ以外の業種では「言うは易し」で実現することが困難なケースもあるだろう。

 私の友人のドイツ人コンサルタントが日系企業とプロジェクトを行っていた際には、「日本企業の伝統的な企業には、なかなかオープンイノベーションや、アジャイルといったキーワードが伝わらない。どうしても既存の概念を大事にしてしまって、飛んだ発想で考える方法論を根付かせるのはなかなかに大変だ」と難しさを語っていた。

 例えば、ドイツのある大手製造業では、社内のアイデアコンペのために50万ユーロの資金を用意している。参加者が自らのアイデアを応募すると、その内容が社内ポータルで1カ月にわたり掲載される。その期間中に彼らは、予算配分権限を割り振られた従業員=出資者と議論し、出資を引き出す。

 また、より短期的な実現可能性があるアイデア(3年以内)に対しては1000万ユーロの社内向けファンドを通した投資が行われる。受賞者の中には、40年もアイデアを温めていた方もいるそうだ。出資を勝ち取った従業員は、自ら提案した日常業務とは別のアイデアを実現するための権利(と責任)を手に入れることになる。

 その他にも、IoT事業を形にするための戦略子会社を社長直轄で作った会社や、SAPやダイムラー(Daimler)といった大手の企業が、社外かつ複数の地域でデジタル時代の新たなビジネスモデルを顧客も巻き込んで開発・試行する拠点を持つ。

 トヨタ自動車もオープンイノベーションプラットフォームである「TOYOTA NEXT」を2016年12月に発表したが、ドイツの大企業でも同様の取り組みや、社内ベンチャー制度の活用が進んでいる。

 どの例にも共通するのが、アイデアと意志を持った従業員を自由に暴れさせるための場を会社として用意しているということである。背景には、IoT時代に柔軟に素早く事業を立ち上げるためには従来のスピードや発想では遅すぎる、企業にできるのは資金と場を用意することである、といったある種の割り切りがある。

「IoTはこれまでとは違う」「考え方から変えなければ」と言われても難しい。誰もついてこない。そんな時は、少し頭を切り替えるために、普段の仕事を忘れられるような組織や場所を作ってみてはどうだろうか。

JBPRESS

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