4世紀の日本、仁徳天皇は宮殿の近くの小高い丘から国を視察した。天皇は臣民の台所から立ち上る煙がほとんど見当たらないことに気づいた。大部分が百姓であった臣民が厳しい経済状況にあることを知ったのである。

 そこで彼は3年間、臣民からの税の取り立てを免除した。宮殿の石垣が荒廃し、宮殿の屋根の隙間から星が輝いて見える状況にありながらも、国民への税金の取り立てをやめたのである。

 3年後、彼はまた丘に登り、民家から煙がもくもくと立ち上がるの見て、彼はその徳政令の政策に大いに満足した。国民も宮殿を修復するためにボランティアに集まったという。彼が仁徳天皇と呼ばれたのも不思議ではない。

 それから約2000年後、現在の日本経済は、2014年に行われた大幅な消費税の引き上げと、今後見込まれる追加的な引き上げのために、消費需要が沈滞している。日本の民間部門は、政府の収支を心配するあまり、消費そして投資への意欲を失っている。

 ここに仁徳天皇の物語が思いおこされる。人々の支出は自分の富に依存し、政府の富には依存しないからだ。