改正国民年金法が成立した。改正の中身とは?(写真はイメージ)

 2016年は、国民年金に関わる法律の改正が相次ぎました。まず、5月に「確定拠出年金(DC)」の改正法が成立し、個人型DCに誰でも加入できるようになりました。そして12月14日には、年金の給付を抑える「改正国民年金法」が成立しました。

 国民年金の仕組みが変わり、「じぶん年金」の必要性が高まっています。前回「驚きの節税効果、個人型DCのメリットとデメリット」は「確定拠出年金(DC)」の改正法について解説しました。今回は、「改正国民年金法」のポイントを解説しましょう。

年金支給額は15年間で年20万円減少

 今回の「国民年金法」改正は、年金の支給額を抑制する新しいルールをつくり、将来世代の年金を確保しようという試みです。概要は以下の通りです。

・支給額改定に新ルールを適用。賃金の下落率に合わせて年金額を改定する

・マクロ経済スライドを強化。物価上昇時に複数年分まとめて給付を引き下げる

・厚生年金の加入対象を拡大。従業員数500人以下の中小企業の短時間労働者も加入対象に

・出産前後の保険料を免除

・GRIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のガバナンス改革

・日本年金機構の不要財産返納