(英エコノミスト誌 2016年12月24日/31日合併号)

「世界一影響力のある人物」は今年もプーチン氏 2位にトランプ氏

フォーブス誌の2016年「世界で最も影響力のある人物」ランキングで(左から)1位となったウラジーミル・プーチン露大統領、2位のドナルド・トランプ次期米大統領、3位のアンゲラ・メルケル独首相。(c)AFP〔AFPBB News

自由主義者は今年、ほとんどの議論で敗北を喫したが、うなだれてはいけない。むしろ活気を感じるべきだ。

 ある種の自由主義者にとって、2016年は戒めの1年だった。本誌(英エコノミスト)は、財や資本、人材、意見の自由な交換が奨励され、かつ法の支配によって普遍的な自由が国家の権力乱用から守られている「開かれた国」や「開かれた社会」をよいものだと思っている。同じ考えの人々にしてみれば、今年は後退の1年だった。

 何しろブレグジット(英国の欧州連合=EU=離脱)やドナルド・トランプ氏の大統領選挙勝利のみならず、苦境にありながら見捨てられているシリアの悲劇、そしてハンガリーやポーランドをはじめとする国々での「自由主義的でない民主主義」への支持の広がりまでもが見られた。グローバル化という言葉が批判や中傷に使われるにつれ、ナショナリズムはもとより権威主義さえもが勢いづいている。

 トルコでは、クーデターが失敗してほっとしたのもつかの間、残忍な(そして国民の支持も得た)報復が行われている。フィリピンでは、暗殺団を派遣しただけでなく自らも銃の引き金を引いたと得意げに話す人物が大統領に選ばれた。ロシアは西側諸国の民主主義にハッキングし、中国はつい先日、米国の海中ドローンを1機捕獲して米国を愚弄し始めた。どちらの国も、自由主義は西側諸国による勢力圏拡大の隠れみのでしかないと主張している。

 こうした状況をうんざりするほど見せられて、多くの(自由市場を信奉するタイプの)自由主義者は弱気になってしまっている。中には、自由主義秩序を追悼する詩を書き、民主主義に対する脅威について警告を発した人もいる。

 一方で、移民についての法律を微調整したり追加の関税を課したりすれば、普通の状況にあっさり戻るだろうと論じる人もいる。だが、元に戻るだけでは不十分だ。2016年に苦汁をなめたからといって、人々に尊厳を与え繁栄と公平をもたらす最良の方法だという自由主義の自負が突然打ち砕かれたわけではない。自由主義者は思想の闘争を避けるべきではない。むしろ、楽しむべきである。