IoTと半導体製造技術が融合して誕生した「WORLD OF IOT」が、2016年12月14~16日にかけて、東京ビッグサイトで開催された。あらゆる産業界から注目を浴びるIoTは、世界中の企業がビッグデータやAIなどと組み合わせ、新しい価値を生み出すための活用を行っている。

 今回のイベントには、トヨタ自動車、村田製作所、ソニー、富士通などの大手からスタートアップまで、60社以上が出展しIoTを実現するための技術として、ソリューションから、システム、アプリケーションを紹介していた。

着せ替え✕超小型電気自動車、rimOnO(リモノ)

 経済産業省出身の 伊藤慎介氏(以下、伊藤氏) と znug design (ツナグデザイン) の 根津孝太 (以下、根津氏)が開発を手掛けるrimOnOは、全長2.2m、全幅1.0m、全高1.3m、車両重量320㎏(目標200㎏)、最高速度45㎞/h、乗車定員大人2名の超小型電気自動車だ。

左:取締役(デザイン責任者) 根津孝太氏、中央:取締役(技術責任者) 奥村康之氏、右:代表取締役社長 伊藤慎介氏

 幅広い年齢層をターゲットとしているが、中でも「いち早くほしい!」と熱烈なラブコールを送ってくるのは70代以上の男性からなのだとか。

 「高齢になると、普通の自動車の運転が難しくなり、免許証の返納を家族から求められるという人も増えてくる。今まで使ってきた交通手段を失うことで、外出が減り『よりいっそう年老いてしまうんじゃないか……』そういった危機感を抱えた70代男性からの要望がとても多いですね。少しでも早くみなさんの元に届けられるよう開発を頑張って進めています」と語ってくれたのは、デザインを担当する根津氏。

 2016年5月20日にプロトタイプを発表し、現在は製品化に向けた開発を進めているが、超小型モビリティに関する法規制の問題もあり、まずは2018年に一人乗りバージョンでの販売を目指しているという。

 rimOnOは今の段階で車体にIoTの仕組みを取り込んでいるわけではない。今後どのようにIoT化していくのか、伊藤氏が語る。

 「日本の産業には、ハードウェアの強みってものすごくあるなと思っていて、今はとにかくそこで出来ることをなるべく詰め込んでいます。まずは交換式のバッテリーをIoTで管理していきたい。将来的には海外を含めたIoTの技術やノウハウをつなぎ合わせ、面白い世界をつくっていきたいと思います」