(英フィナンシャル・タイムズ紙 2016年12月14日付)

台湾独立に反対=中国主席、孫文生誕150年で演説

中国・北京の人民大会堂で開かれた孫文生誕150周年記念大会で演説する習近平国家主席(2016年11月11日撮影)。(c)AFP/WANG ZHAO〔AFPBB News

 中国の指導部の「核心」という称号を手にした習近平国家主席は、2つの任務を負っている。1つは、中国共産党から腐敗を一掃すること。もう1つは、経済の改革だ。

 しかし、習氏がこのレーニン主義政党が支配する腐敗した独裁国家の純化と強化に力を入れ続けていくと、2つの任務は互いに相いれないことが明らかになるだろう。

 習氏は2014年、中国が直面している困難を次のように表現していた。

「地方と産業界における腐敗は密接に関係している。結託して汚職をはたらく事例が増えている。人事における権限の乱用と行政権限の乱用は重なり合っている。権力と権力を交換したり、権力をカネと交換したり、権力をセックスと交換したりすることが頻繁に行われている。公務員とビジネスマンとの結託、そして上司と部下の結託も絡み合っている。お互いに利益を供与し合う方法は秘密にされており、多種多様である」

 この容赦ない告発は、自分を利するためのものかもしれない。裴敏欣(ペイ・ミンシン)教授が『China’s Crony Capitalism(中国の縁故資本主義、邦訳未刊)』というよくできた著作で指摘しているように、ストロングマン(強権的な指導者)になりたがっている人物は、ライバルを叩きつぶす手段として汚職の嫌疑をよく利用する。この手法は非常に効果的だ。汚職に手を染めているという指摘は、いかにもありそうな話だからだ。

 裴敏欣教授は中国当局が公表した資料を用いて、なれ合いの汚職がはびこっていることを明らかにしている。こうした腐敗は経済をゆがめ、当局を堕落させ、中国共産党から社会的正統性をはぎ取ってしまっている。

 確かに、腐敗はガンだ。とはいえ、何かの偶然でできたわけではない。

 1990年代初め以降の腐敗の爆発的な拡大は、成功している改革の負の側面だった。「中国の政治経済における縁故資本主義の台頭と確立は、今にして思えば、鄧小平による独裁主義的な経済近代化モデルの論理的な帰結である」と裴敏欣教授は論じている。

「なぜなら、何者にも縛られない権力を手にしたエリートは、経済成長によってもたらされた富を、その権力を使って略奪するという誘惑に抗えないからだ」