IoT(Internet of Things)の最新ニュースや企業&ベンチャー事例(ケーススタディ)ほぼ毎日掲載

テクノロジー
2016.12.26

会津の“幻のトマト”、育てていたのはITだった
土壌の状態をセンシングして水と肥料を自動供給

BY

 アルス古川がこのシステムを導入したのは2014年である。ちょうど、福島県が農業の復興を加速化させるための「ふくしまから はじめよう。攻めの農業技術革新事業」を推進しており、その事業の補助金を利用してシステムを導入した。

「県の農業普及所からやってみないかと声がかかったんです。面白そうだし、作業が楽になるんだったらいいかなと」(古川さん、以下同)

 最初は軽い気持ちでスタートしたというが、得られたメリットは想像以上の大きさだった。

「1人の従業員が畑に張り付いている」のと同じ

 まず、農作業を大幅に効率化できた。それだけではない。効率化と同時に、手作業以上にきめの細かい丁寧な世話が可能になった。

 一定の品質の野菜を育てるためには、土の中を安定した状態に保つ必要がある。しかし、安定させるための調整は非常に難しい。例えば「水やり」。以前は、ミニトマトの畑に毎朝1回、水をあげていた。その日にあげる水の量はトマトの状態を見ながら調整する。

「ただ、調整は“何となく”の感覚なんですよね。調整していても、夏場なんかはやっぱり土が乾いているときがありました。水が足りなくてトマトがくたっとなっていたりすることがあるんです」

 今は、システムが自動的に給水を行う。おまけに1日に1回だけではなく、少量ずつの水を1日に10回ぐらいに分けて供給するのだ。

「システムが1時間ごとに土の中の温度や水分量、肥料の情報などを測定しています。今、土の中はこうだから水や肥料はこれぐらい必要だなというのを自動的に弾き出してくれる。例えば、日が当たって蒸散が多くなるとトマトは水を飲むペースが上がります。その状況を機械が検知して、水を多めに供給してくれるというわけです」

 感覚的には「1人の従業員がずっと畑に張り付いて、丁寧に水をあげているのと同じ」だという。「以前は、こちらの気分で勝手に水をあげていたのが、今はトマトの声を聞きながら水をあげるようになった感じですね。だから、失敗が少ない。実になったときもA級品が多くなりました」

 農作業が効率化されたことで、ミニトマトの収量も増えた。

JBPRESS

あわせてお読みください

記事ランキング

  • 直近1時間
  • 昨日

話題のキーワード

注目連載

あわせてお読みください

IoTニュース

ソラコムの年次カンファレンス、IoTスタートアップによるピッチ開催
IoT人気記事ランキング|スマートファクトリーJapan 2018 レポートなど[6/4-6/10]
日本IBMと安川電機が協業、エッジと連携するアナリティクスデータクラウド基盤を開発
シャープが目を付けたのは「猫用IoTトイレ」 ペット事業になぜ参入? 犬のバイタル計測サービスも
ノバルス、乾電池型IoTデバイス「MaBeee」のビーコンモデルを発表
AT&Tとノキアが協業、企業のIoTイノベーションをグローバルに支援
凸版印刷が「IoT建材」の開発に着手、横浜市内で生活モニタリングの実証実験
さくらインターネット、IoT/M2M向けSIMサービスに新機能を追加
エッジからのリアルタイムデータを価値あるサービスに変えるIoT基盤をAWSで―DeNA「タクベル」が挑む次世代オートモーティブ事業 | IT Leaders
日立とKDDI、グローバルでのIoT事業で協業
ネットワン、データ分析まで支援する製造業向けIoTソリューション
KDDI、IoTデバイスマネジメントの英Resin.ioに出資--ソラコムと事業共創
シャープ 猫オシッコを計測するAIoTシステムトイレ 7月30日発売
猫の健康管理や犬のバイタル計測、シャープがペット向けIoTを開始
クーガー 石井敦氏:人工知能があらゆるところにある未来は、ブロックチェーンが作る
日立、IoTプラットフォーム「Lumada」をグロバール展開し成長路線へ

IoTニュース”は、Mynd Engineを活用して、世の中のIoT関連の記事をまとめさせていただき、ご紹介させていただきます。