83万個のライトが幻想的に、札幌でイルミネーション

第36回「さっぽろホワイトイルミネーション」の会場前を歩く女性(2016年11月24日撮影)〔AFPBB News

「何もない」ことが地方の財産

 「灯台下暗し」という言葉があります。地方はまさに今、その状態です。地元にキラーコンテンツがあるのに、地元の人はそれがどれだけの価値があるのか気づかないことが多いようです。

 私は仕事柄、よく地方に行きます。そこで出会う地元の人たちは口を揃えて「ここには何にもないんですよ」と話します。でも、私は、「そうですね」とは言いません。

 「何にもないってことも、最高の財産の1つです!」と答えます。

 つい先日も北海道の十勝の広大な小麦畑で「ここは畑以外、何もねえ」と嘆く若者たちに1つの答えを見出した人を知っています。

 「ここにステージを作ってキッチンカーを入れたら、東京では絶対にないS級レストランができそうだなあ」――。

 彼らは、どこまでも見渡せる広大な小麦畑の真ん中にキッチンカーを入れて、1つだけテーブルを用意し、北海道の最高の食材で作った極上の料理を振る舞う、一晩一客のレストランを始めたのです。

 それから、どうなったと思いますか?

 なんと日本全国から予約の連絡が入り始めました。今では、そのレストランで食事をするためだけに、遠い場所から十勝の小麦畑を訪れるようになっています。

 1000エーカーの小麦畑の借景のもと一流食材で食事ができるそのレストランは、都会の一流レストランに勝るとも劣らない価値がある。私が、「何にもないってことも最高の財産の1つだ」というのはそういうことなのです。

 地方創生の名の下で、今、地方は様々な活性化策に取り組んでいます。しかしそこで出てくる策のほとんどが、東京や大阪などの都会で流行しているものの焼き直し的なアイデアばかりです。

 情報化が行き過ぎた結果でしょうか、一極集中の傾向はより強くなっているようです。

 各地の事業者の人たちも何かというと「東京で勝負してみたい」と言うのですが、そういう声を耳にするたび、「都会のように〝ごった煮〟の中に入るのはもったいないことだ」と、ついたしなめてしまうのです。

 「正直に言って、田舎の人がいきなり都会で勝負しても埋もれてしまう可能性が高いと思うのです。それよりも、勝手知ったる地元で、きらりと輝くビジネスモデルを考えた方が、はるかに勝率は高まりますよ」

 毎回のようにそんなふうに言います。

 私は、地方だからこそ、いくらでも勝負のしようがあると思っています。なぜなら地方には都会にはない「宝」がたくさんあるからです。