OPEC減産合意は効き目なし?突如「伏兵」現わる

経済成長著しいインドで原油需要に赤信号

2016.12.09(金) 藤 和彦
    http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/48608
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インド・ニューデリーの街の様子。経済成長が著しいインドだが、原油需要の停滞が危惧されている

 12月5日のWTI原油先物相場は4日続伸、一時1年5カ月ぶりの高値となった(米原油在庫が急増したことから7日の原油価格は再び1バレル=50ドル割れとなった)。

 OPECが12月10日にウィーンで開催する会合に非OPEC加盟14カ国を招待したことで、「産油国の生産調整の動きが非OPEC諸国にも広がる」との観測が買い材料だった。OPECが非OPEC諸国と減産について協議するのは2002年以来である。

 OPECが非OPEC諸国に期待する減産分(日量60万バレル)の半分を担うとされるロシアは「生産調整に前向きである」との見方が広がっている。だが、ロシアの11月の原油生産量は日量1121万バレルとソ連崩壊後の最高水準付近にとどまった(過去最高は先月の1123万バレル)。ロシアの石油会社は政府の協力要請に応ずる気配を見せておらず、「ロシアの減産は来年第2四半期からになるだろう」(ロシアの大手会社幹部)との声も聞かれる(12月2日付ロイター)。

 減産合意を成立させたOPECも頭が痛い。ロイターによれば11月の原油生産量が日量3419万バレルとなり、減産の基準となる10月の生産量より37万バレル増加した。最も増産したのはアンゴラだが、原油輸出量が過去最高となったイラクや減産が免除されたナイジェリアやリビア(両国合計で14万バレル増)も押し上げ要因となっている。

 このためOPECは、11月30日の総会で決定した120万バレル分に加え、さらに50万バレル減産しなければ、合意した生産水準(日量3250万バレル)を満たすことができなくなってしまった。

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経済産業研究所上席研究員。1960年、愛知県生まれ。早稲田大学法学部卒。通商産業省(現・経済産業省)入省後、エネルギー・通商・中小企業振興政策など各分野に携わる。2003年に内閣官房に出向(エコノミック・インテリジェンス担当)。2016年から現職。著書に『日露エネルギー同盟』『シェール革命の正体 ロシアの天然ガスが日本を救う』ほか多数。

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