(英フィナンシャル・タイムズ紙 2016年12月6日付)

イタリア国民投票、大差で否決 レンツィ首相が引責辞任

イタリア・ローマの首相官邸で、国民投票後の記者会見で辞意を表明したマッテオ・レンツィ首相(2016年12月4日撮影)。(c)AFP/Andreas SOLARO〔AFPBB News

 今月4日日曜日のイタリアの国民投票に向けた準備期間に、同国第3位の大手銀行モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナのための50億ユーロ規模の厄介な資本増強プログラムに取り組んでいたバンカーたちは、起こり得る3つの結果について語っていた。

 いわく、国民投票でマッテオ・レンツィ首相の憲法改正案を支持するイエスという結果が出れば、モンテパスキは増資計画の次の段階に進める。僅差で否決された場合も、レンツィ氏はまだ権力の座にしがみつくことができ、機関投資家はイタリア最古の銀行であるモンテパスキの株式を購入する自信を得たかもしれない。

 だが案の定、選挙や国民投票で反エスタブリッシュメント(支配階級)に票が流れる世界的なパターンの中、明確なノーという第3の結果が現実になった。それとともに、レンツィ氏が約束した辞任が現実となった。そして、これに伴い、モンテパスキが市場で増資を完了する可能性が消え去った。

 バンカーは、金融の問題があまり重要でないときでさえ、金融のレンズを通して世界を見る傾向がある。だが、イタリアの銀行の苦境――3500億ユーロ以上の不良債権を抱え、金融システムの中で自己資本レベルが最も弱い部類に入る――は、イタリアの政治の大混乱を観察する人が皆、最も懸念すべき問題だ。

 安定した政治基盤がなければ、投資家はイタリアの銀行の株式と債券を買うことへの信頼感を失い、国内経済とより大きなユーロ圏金融システムの双方を揺るがすからだ。