ヒロシマから70年、米国人の大半は今も原爆投下を肯定

米首都ワシントンのスミソニアン航空宇宙博物館で展示されるエノラ・ゲイ〔AFPBB News

「パールハーバー」75年目の風景

 今年もまた真珠湾攻撃記念の日を迎えた。あれから75年目だ。米各紙はこぞって「リメンバー・パールハーバー」ものを扱っている。

 カリフォルニア大学バークレイの歴史学者は筆者にこう指摘している。

 「米国民が真珠湾を忘れようとしない理由は2つ。1つは強力な軍事力を持っていても敵はどこから攻撃してくるか、決して油断してはならない、という教訓。いま1つは広島・長崎原爆投下を正当化するための、攻撃してきたから完膚なきまでに日本を打ちのめしたのだ、という言い訳だ」

 今年はバラク・オバマ大統領の広島訪問がついに実現した。現職米大統領の訪問はこれが初めてである。加害者としての「謝罪」はなかった。「謝罪」を巡って米国内では反対論が強かったことを配慮してのことだった。

 が、「非核」への大統領の祈りの行間には無言の「謝罪」と「反省」の念がにじみ出ていた。少なくとも日本国民の大半はそう受けとめ、オバマ大統領の広島演説を高く評価した。

 その後大統領に当選したドナルド・トランプ氏も「謝罪をしないのならオバマ演説は問題ない」と不問に付した。オバマ大統領の勇断は「レガシー」として残るだろうが、トランプ政権でこれ以上前進することはまずないだろう。

ベストセラー「Killing」シリーズに「大日本帝国」が登場

 今、米国で「Killing the Rising Sun」(昇る太陽を殺す)というおどろおどろしいタイトルの本が売れている。

 「ライジング・サン」とは、日本のこと。

 著者は当初ずばり「Killing Japan」(日本を殺す)というタイトルを考えていたという。ストレートすぎて批判を招くとの危惧からタイトルを変更したらしい。

 著者は、テレビに著書に大活躍の保守派ジャーナリストのビル・オライリー氏(67)だ。近年「Killing」シリーズを手がけ、本書はその6冊目だ。

 これまでに「Killing Abraham Linclon」(エイブラハム・リンカーン第16代大統領の暗殺)を皮切りにジョンF・ケネディ第35代大統領の暗殺、イエス・キリストの処刑、ジョージ・パットン将軍の謎の死、ロナルド・レーガン第40代大統領の暗殺未遂などをテーマにしている。