(英エコノミスト誌 2016年11月26日号)

中露、最大2.5兆円かけ長距離旅客機を共同開発へ

中国・北京の人民大会堂で、文書の署名後に握手するロシアのウラジーミル・プーチン大統領(左)と中国の習近平・国家主席(2016年6月25日撮影)。(c)AFP/GREG BAKER〔AFPBB News

ウラジーミル・プーチン大統領は東洋重視に傾いているが、同氏の関与はポーズだけだ。

 ロシアの国章「双頭のワシ」は、欧州がある西方と、アジアがある東方に顔を向けている。遠く離れた場所の獲物も見つけるこの猛禽(もうきん)は、帝政ロシアのシンボルを国章として復活させたウラジーミル・プーチン大統領の紋章になっていると言ってもよい。

 ではなぜ、広い国土の半分がシンガポールよりも東にある国の大統領が、2年前に宣言した「アジアへのピボット(旋回)」の重要さを説かなければならないのだろうか。

 多くの読者は、かつて散々けなされたバラク・オバマ大統領の「アジアへのピボット」は知っていても、プーチン氏のそれは耳にしたことがないだろう。そう考えると、この文句と実際の中身との間にはどうやらギャップがありそうだ。だが、それでも識者の間では、ロシアが本当にアジアに戻ってきているとの見方が広まっている。

 かつて旧ソビエト連邦と中国は、その長い国境線に沿って一触即発の状態にあった。今日では、ロシアと中国は戦略的に歩み寄っていると見る向きが多く、このままいけば軍事力で世界第2位の前者と第3位の後者が同盟を結ぶとの見方もある。

 両国のメディアは、プーチン氏と習近平国家主席をストロングマン(強権的な指導者)の仲間として描いている。2014年には、ロシアが中国に天然ガスを供給する大型契約が成立した。また先日には、ロシアが中国への最新鋭の兵器の売却を再開している(ロシアは10年前、軍事技術を模倣されたとして中国への売却を停止していた)。