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(写真はイメージ)

【第6回】

 今、日本の「教育」が行き詰まっている。日本の高度成長を支えた、「正解」をいかに早く覚え、再現するかという従来の教育は、「答えのない時代」を迎えた今、うまくいかなくなった。日本の国際競争力を高める人材を育成する上で、障害となっているものは何か。21世紀の教育が目指すべき方向は何か。

 本連載では、世界からトップクラスの人材が集まる米国、職業訓練を重視したドイツ、フィンランドの「考える教育」など、特色ある教育制度を取り入れている先進国の最新動向から、日本の教育改革の方向性を導き出す。

(前回の記事「学校制度に見る先進国エリート養成法」はこちら

下がり続ける米国の就学率

 これまで述べたように、米国のトップ大学は非常に優れたシステムを持っています。

 しかし、そういう学校がある反面、国全体としては問題が多いということを示しているのが図-12です。左側の図を見ていただきたい。

 現在55~64歳の人が高校生だったころ、米国民の高校卒業率は世界一でした。ところが、現在25~34歳の人が高校生だった時代になると、卒業率は世界で10番目まで落ちています。同様に、大学卒業率も3番目から13番目まで下がっている。

 それから幼稚園の就学率、学校に通う前に幼稚園などに通う子供の割合ですが、先進国の平均81%に対し、米国は69%です。大学中退率も、米国は54%と非常に高いです。

 入学することができても、学生数がインフレ気味ですから落第して卒業することができず、途中でドロップアウトする人間が半数以上いるのです。