中東産油国と縁切りをするトランプ新政権

規制緩和でシェール増産、日本への影響は?

2016.11.18(金) 藤 和彦
    http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/48409
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米国は年間約200万バレルの原油を中東諸国から輸入している。トランプ新大統領の政策によって中東依存の割合は大きく減少するかもしれない(写真はイメージ)

 11月14日の米WTI原油価格は、一時、8月11日以来となる1バレル=42.2ドルにまで値を下げた(一部のOPEC担当閣僚がガス関連会議にあわせて11月18日にもカタール・ドーハで非公式協議を行う見通しなどから、16日の原油価格は1バレル=45ドル台に回復している)。

 トランプ氏が大統領選勝利以降続いている米ドル高や、前週末に10月のOPEC加盟国の原油生産量が日量平均3364万バレルと前月に比べて24万バレル増加したことが、原油価格の押し下げ要因となった。

 サウジアラビアの「OPECは減産計画履行に向け合意する必要がある」という呼びかけにもかかわらず、10月のイランの原油生産量は前月比21万バレル増の日量平均392万バレルとなっている。市場関係者の間で「OPECが減産の詳細な合意をまとめられない」との失望感が広がり、原油価格は10月の上昇分をすべて失ってしまった。

 OPEC原油に関する需給ギャップは現在日量100万バレル程度だが、これから冬場に向けて需要が約100万バレル減少することから、このままの生産水準が続けば来年初めには需給ギャップが200万バレル以上に拡大するおそれがある。

 現在の原油価格急落を予測したことで知られるPIRAエナジーのゲーリー・ロス氏は、「11月末のOPEC総会で合意が成立しなければ、原油価格は1バレル=35ドルまで落ち込む可能性がある」とし、「OPECは自らの利益のために協調すべきである。さもなければOPECは世界の原油市場における存在感を失う恐れがある」との警告を発している(11月14日付ブルームバーグ)。

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経済産業研究所上席研究員。1960年、愛知県生まれ。早稲田大学法学部卒。通商産業省(現・経済産業省)入省後、エネルギー・通商・中小企業振興政策など各分野に携わる。2003年に内閣官房に出向(エコノミック・インテリジェンス担当)。2016年から現職。著書に『日露エネルギー同盟』『シェール革命の正体 ロシアの天然ガスが日本を救う』ほか多数。

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