アフリカの伝統音楽と欧米のポップミュージックがごく自然に融合するようになってきた。アフリカ・カメルーンのカメルーン山

 ちょうど1年前、音楽レビューサイト「Mikiki」でよく読まれるアフリカ音楽作品の中からピックアップして「世界の音楽が融合、いまアフリカンポップスが面白い」(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45441)というコラムを執筆しました。その後、この1年の間にも、刺激的で素晴らしい作品が続々と登場してきています。

 前回のコラムでも書きましたが、1980~90年代のいわゆる「ワールドミュージックブーム」の頃のアフリカ音楽作品は、アフリカ伝統音楽の要素が色濃いものに、エレクトロニックなテクノロジーを含めた欧米のポップミュージックの要素を、混ぜ合わすというよりも無理矢理くっつけたようなサウンドのものが多かったように感じられます。

 しかし、最近のアフリカンポップス作品が面白いのは、伝統音楽と欧米のポップミュージックを同時に聴きながら育ってきたミュージシャンが、アフリカ的要素と欧米的要素をごく自然にミックスして創造していることが大きな要因だと言えます。

 また、欧米サイド(一緒に演奏するミュージシャンやプロデューサーなど)もアフリカ伝統音楽に十分精通しているので、両者が衝突するのではなく、互いに歩み寄りながら有機的に融合して新たな音楽を作り上げていると思います。

本コラムは音楽レビューサイト「Mikiki」とのコラボレーション記事です

 アフリカ音楽のイメージとしては、激しくプリミティヴなリズムにコール&レスポンスのコーラス、リフレインするメロディーなどが浮かぶかもしれませんが、あれだけ広大な土地なので、祝祭的なダンスミュージックからゆったりとして静かなものまで、本当にさまざまなタイプの音楽が存在していて、それぞれが奥深く独特な魅力を持ったものばかりです。

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