在沖米軍、地域安定に貢献=北朝鮮脅威にも対応-米総領事

トランプ新大統領は在日米軍をどうするつもりなのか。沖縄県宜野湾市の普天間基地(2005年撮影、資料写真)。(c)AFP/TORU YAMANAKA〔AFPBB News

 アメリカ大統領に世界の予想を裏切ってドナルド・トランプが当選したが、私も予想できなかった。メキシコとの国境に壁を築くとか、不法移民をすべて国外追放するなどという彼の政策は荒唐無稽で、とても実行できるとは思えなかったからだ。

 彼は選挙キャンペーンではなぜか日本をバッシングの対象にし、「アメリカで日本車はたくさん走っているが、日本でアメリカ車は走っていない」などと1980年代の日米貿易摩擦のような話をしていた。そのうち消えるだろうと思っていたら共和党の候補になり、本選挙で勝ってしまった。

日本に核武装を求めるトランプ

 これは選挙期間中にヒラリー・クリントンのメール疑惑が拡大するなど運がよかった面もあるが、連邦議会でも上下両院で共和党が過半数を占めたのをみると、トランプの個人的な勝利とはいえない。この背景には、アメリカに広がる孤立主義の流れがある。

 その顕著な現われがTPP(環太平洋連携協定)で、トランプは反対だから、彼の任期中には承認されないだろう。それどころか彼はNAFTA(北米自由貿易協定)の見直しやWTO(世界貿易機関)からの脱退も示唆している。伝統的に自由貿易派とされてきた共和党でも、彼の保護主義に追随する議員が多い。

 さらに大きな問題は、安全保障の面でもトランプが孤立主義を強めていることだ。在日米軍について、彼は(日米同盟は認めるが)駐留経費を日本政府がすべて負担しろと主張している。それを認めなければ在日米軍を撤退させ、その代わり日本や韓国は核武装してもいいという。

 これは日本人にとっては笑い話だが、アメリカ人にとってはそうでもない。19世紀からアメリカには「モンロー主義」の伝統があり、これは合衆国がアメリカ大陸を支配し、ヨーロッパからは独立するブロック経済の考え方だ。