知ってる?バーボンとテネシーウイスキーの違いとは

150年前、アメリカ最古の蒸留所を開いたジャック・ダニエル氏

2016.11.16(Wed) JBpress
筆者プロフィール&コラム概要

ウイスキーのフレーバーを決定づける独自製法

――チャコール・メローイング製法について、教えていただけますか?

草川 ジャック ダニエルと他のウイスキーのフレーバーの違いを決定づけるのが、チャコール・メローイング製法です。分かりやすく言えば、炭を使って濾過する製法。その炭は、テネシー産のサトウカエデ(砂糖楓)を使用しています。ジャック ダニエルでは、世界でも珍しい屋外での炭づくりを今も行っています。まずはサトウカエデの丸太を蒸溜所に持ち込み、製材所で約4cm角に切断します。約2〜3週間をかけて櫓状に組んで乾燥させます。炭にするには、蒸溜仕立ての原酒を振りかけて一気に燃やします。常に職人が傍らにいて、水を振りかけながら火の勢いを調節しています。

チャコール・メローイング製法で用いるための炭づくり。2~3週間やぐら状に組まれ乾燥された丸太に、火をかけて燃やす。

――仕上がった炭をどのように使われるのでしょうか?

草川 およそ2時間かけて焼いた炭を細かく砕いたら、深さ約4メートルある専用のヴァット(濾過槽)に敷き詰め、蒸溜したばかりの原酒を垂らします。濾過は、数日かけて行います。そうすることで、ウイスキーから雑味が取り除かれ、磨きがかかります。このようにあえて手間暇のかかるチャコール・メローイング製法にこだわることこそが、ジャック ダニエルのクラフトマンシップなのです。

――3つ目の条件である自社製樽について、教えてください。

草川 フレーバーを決定づける半分以上は、樽熟成のプロセスにあると言われています。ジャック ダニエルの親会社であるブラウン・フォーマン社は、世界のウイスキーメーカーで唯一、自社製樽工場を保有しています。その数、年間100万樽。ジャック ダニエルで使われているアメリカンオークの新樽は、すべてその自社樽工場で製造、それもジャック ダニエル専用のレシピでつくった高品質な新樽を使用しています。

トーストとチャーを経てつくられた樽の内部。溝を彫ってウィスキーに触れる表面積を増やすこともある。

――ジャック ダニエル専用レシピとは?

草川 トースト(じっくりと熱を加える)とチャー(強火で焦がす)という2行程にあります。樽の側面内側と天板の内側をトーストすることで、ホワイトオークの内部から香味成分のバニラ・キャラメル成分を表面に引き出します。チャーを行うと、香味成分のベースを樽内部に固定できます。トーストやチャーは熟成時のウイスキーの色合いにも大きく影響してきます。

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