(英フィナンシャル・タイムズ紙 2016年10月28日付)

米テキサス州で大型油田・ガス田を発見

米テキサス州スウィートウォーターにある原油採掘機(2016年1月19日撮影、資料写真)。(c)AFP/Getty Images/Spencer Platt 〔AFPBB News

 石油輸出国機構(OPEC)が原油の減産を決めたことで、2年に及ぶ価格競争の最大の勝者は米国のシェールオイル業界だと宣言する向きが多くなっている。

 井戸を数多く掘ってきたシェールオイルの採掘業者は、1バレル40ドルという嵐をしのぐためにコストを削減し、事業の整理統合を進めた。その結果、この業界は以前よりも贅肉が少なく立ち直りも早い体質になっており、原油価格の上昇につれて利益を得る公算が大きい。

 一方、OPEC加盟国は非常に厳しい圧力にさらされている。このカルテル最大の産油国で、事実上のリーダーでもあるサウジアラビアも例外ではない。サウジ政府は、原油安の幅と期間が当初の予想をはるかに上回っており、値上げが必要なことを認めた。

 しかし、原油の値下げ戦争では、勝者と敗者がはっきり分かれることはない。OPECはこの2年間で市場シェアの大幅な拡大に成功したが、それにはやはりコストがかかっている。

 では、相場が大きく変動したこの2年間は、大手産油国にとってプラスだったのか。それともマイナスだったのだろうか。

OPEC非加盟の産油国

 OPECは以前からずっと、米国のシェールオイル業界を打ちのめすことなどできないと認識していた。そこで、2010年から2015年にかけて市場への供給量を400万バレル以上増やしたシェールオイル業界の急成長を抑えることを目指した。

 全力で増産するというOPECの戦略は恐らく狙い通りの効果を上げた。すなわち、米国に加えてブラジルの深海油田、カナダのタールサンド、北極の油田といった高コストなライバルを苦しめるという目論見だ。