(英FT.com 2016年10月24日付)

CETA 「協定結ぶ能力なし」とEUを非難 カナダ貿易相

ベルギー・ナミュールのワロン地域議会で開かれた会合で、カナダと欧州連合(EU)が締結を目指す包括的経済貿易協定(CETA)について発言するポール・マニェットワロン地域政府首相(2016年10月21日撮影)。(c)AFP/Belga/BRUNO FAHY〔AFPBB News

 ワロン人を甘く見てはならない。ベルギー南部のこのフランス語圏地域が欧州連合(EU)とカナダの貿易協定を否決したことは、助けを求める叫び声でもなければ、保護された利益を引き出す努力でもなかった。彼らはただ単に協定を望んでいないのだ。EUの議決の規則とベルギーの憲法とが相まって、欧州のこの小さな地域が事実上の拒否権を発動することが許される。筆者はワロン人に喝采を送る。

 ワロン地域はEUとカナダの「包括的経済・貿易協定(CETA)」の再交渉を望んでいる。カナダがもし、カナダ政府の言葉通りに再交渉を拒否すれば、我々はCETAが完全に頓挫する可能性も検討しなければならない。これはブリュッセルでは誰も公に考えようとしない可能性だ。

 ワロンの人々が最初にCETAを拒絶したのは今年4月だった。さまざまな欧州機関はいつもの傲慢な態度で、ワロン議会の採決を取るに足らない地方の問題として一蹴した。この2週間で、ワロン地域はあと3回、CETAにノーと言った。

 EUの当局者らが「ノー」という言葉のどの部分を理解できなかったのかは不明だが、当局者の反応は常に、ワロン人を懐柔して屈服させようとすることだった。欧州委員会は次々と、CETAについて詳細に説明する文書をワロンの首府ナミュールへファクスした。説明は当初の条約よりボリュームがあり、理解するのが難しくなっていった。

 ワロン人は、国内政治と協定そのものに対する正真正銘の反対姿勢からCETAを拒否した。ワロン地域政府首相のポール・マニェット氏は、ブリュッセル自由大学で欧州政治について教鞭をとった元教授で、欧州の市民権をテーマとした博士論文を書いた人物だ。