「減産協議バブル」にとどめを刺すのは中国か

原油需要の伸びが減速、不動産市場崩壊という爆弾も

2016.10.21(金) 藤 和彦
    http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/48176
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中国・北京の高速道路。中国のガソリン需要は増大を続けているが、国全体の原油需要が今後も増加するとは限らない

 OPECと非OPEC産油国の減産合意に対する期待から、米WTI原油先物市場はこのところ1バレル=50ドル前後で推移している。

 だが、世界の原油市場は供給過剰の度合いを強めている。

 OPECは11月末に開催される総会で日量3250万~3300万バレルに減産するとしているが、9月のOPECの原油生産量は日量3364万バレルと史上最高となった(前月比16万バレル増)。イラクが過去最大の生産量となり、リビアで輸出港の活動が再開したことなどがその要因である。サウジアラビアの原油生産量も日量1065万バレルと高水準を維持している。

 非OPEC諸国の原油生産量も前月に比べて日量60万バレル増加した(ロシアとカザフスタンが増産)。このため、9月の世界の原油生産量は日量9720万バレルとなった。

足元が脆弱な中国の原油需要

 一方、世界の原油需要は昨年の第3四半期以降伸び悩んでおり、今年第3四半期の伸び率はさらに低下しているとされている。

 OECD諸国の需要停滞に加え、中国の需要の伸びが減速しているからだ。

 10月13日に発表された中国の9月の原油輸入量は、前年比18%増の3306万トン(日量平均808万バレル)と米国(日量798万バレル)を抜き世界最大となった(今年2度目、過去1年間では3度目)。しかし、「輸入した原油を精製して石油製品を海外に輸出する」という構図が中国で強まっていることは、世界の原油需要にとって重荷となりつつある。中国では「茶壷」と呼ばれる新興石油精製民間企業が、石油製品の輸出の増加を牽引している。その結果、9月の中国の石油製品輸出量は430万トンと過去最高を記録した7月の457万トンに近づいている。

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経済産業研究所上席研究員。1960年、愛知県生まれ。早稲田大学法学部卒。通商産業省(現・経済産業省)入省後、エネルギー・通商・中小企業振興政策など各分野に携わる。2003年に内閣官房に出向(エコノミック・インテリジェンス担当)。2016年から現職。著書に『日露エネルギー同盟』『シェール革命の正体 ロシアの天然ガスが日本を救う』ほか多数。

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