「減産協議バブル」にとどめを刺すのは中国か

原油需要の伸びが減速、不動産市場崩壊という爆弾も

2016.10.21(金) 藤 和彦
    http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/48176
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 中国ではこれまでの放漫な経済政策の副作用で金利の引き上げ圧力が急速に高まってきているが、そうなれば、これまで無敵を誇った中国の不動産市場も「一巻の終わり」である。

 不動産バブルが崩壊すれば原油需要が一気に冷え込むことは火を見るより明らかである。「山高ければ谷深し」ではないが、中国の「爆食経済」がもたらした原油価格高騰の反動は残念ながら大きいと言わざるを得ない。

目を離せない中東湾岸地域の地政学的リスク

 需要面から見れば、原油価格は今後再び1バレル=20ドル台に下落してもおかしくない情勢だが、思わぬ「伏兵」も頭をもたげ始めている。

 言うまでもなく「中東湾岸地域の地政学的リスクの上昇」のことだ。

 今回の原油価格下落が中東湾岸諸国にもたらす負のインパクトは、1986年の「逆オイルショック」(注)の頃よりはるかに大きくなっている(注:1970年代の2度にわたる石油危機による原油価格の高騰で北海油田の生産が拡大、原油市場が供給過剰に陥っていた状況でサウジアラビアが増産に動いたことで、1986年4月に米WTI原油先物価格は1バレル=10ドルを割り込んだ)。

 さらには、サウジアラビア政府にとって「躓きの石」となっているイエメンとの軍事紛争に、イエメンの反政府勢力からのミサイル攻撃がもとで米軍が巻き込まれかねない状況になっている。 

 その結果、原油価格が高騰したとしても、それは世界の誰もが望んでいないシナリオではないだろうか。

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経済産業研究所上席研究員。1960年、愛知県生まれ。早稲田大学法学部卒。通商産業省(現・経済産業省)入省後、エネルギー・通商・中小企業振興政策など各分野に携わる。2003年に内閣官房に出向(エコノミック・インテリジェンス担当)。2016年から現職。著書に『日露エネルギー同盟』『シェール革命の正体 ロシアの天然ガスが日本を救う』ほか多数。

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