(英エコノミスト誌 2016年9月24日号)

ノルウェー沖でヘリ墜落、油田作業員ら13人死亡 救難当局

ノルウェーのベルゲン沖でヘリコプターが墜落したことを受けて活動中の救助隊員ら(2016年4月29日撮影)。(c)AFP/NTB scanpix/Marit HOMMEDAL〔AFPBB News

小さな民主主義国にとって世界最大の政府系ファンドの運用は容易ではない。

 ノルウェー政府が自前のソブリン・ウエルス・ファンド(SWF)に最初の資金預託を行ってから20年。この国は今、巨大なファンドの運用方法を学んでいる最中だ。

 石油やガスの売上代金を外国に投資するために使われているこのファンドは、原油高のおかげで、誰も予想しなかった規模の財産を築くに至った。今後は原油高の直接的な恩恵が小さくなるにつれ――ノルウェーが見込んでいた石油・ガス全量の約46%が消えてしまった――ファンドの相対的な重要性が高まることになる。今では、ファンドが手にする運用収入が石油収入を上回るのが普通になっている。

「政府年金基金グローバル」と呼ばれるこのファンドの資産残高は9月下旬、7兆3000億ノルウェークローネ(8820億ドル、約91兆円)だった。この国の国内総生産(GDP)の2年分を上回る金額だ。資産残高がこれよりも大きなSWFは存在しない。欧州の上場株式の2%超、世界全体の上場株式の1%超を保有しており、保有銘柄リストにはアルファベット(グーグル)、アップル、マイクロソフト、ネスレなどを筆頭に78カ国の9000社あまりが名を連ねる。

 このファンドの設計にあたり、ノルウェーは随所で正しい判断を下した。ファンドの独立性は憲法でこそ保証されていないが、その運用部門は中央銀行内の独立した部署として守られており、財務省の監督を受け、議会のチェックも受ける。運用にはあまり費用をかけないうえに、実行した投資のすべてについて内容をオンラインで公表し、透明性も確保している。

 こうした構造はほかのファンドでもまねできるかもしれないが、これらを下支えするノルウェー国民の価値観をまねるのは容易ではないだろう。ファンドのトップを務めるイングベ・シュリングスタッド氏は、「誰も想像していなかったハイペースで」成長したと語り、政治が信頼されている文化のおかげで、できる限り多く貯蓄するという方針が物議を醸さなかったと解説する。