(英フィナンシャル・タイムズ紙 2016年9月26日付)

プーチン大統領、流出したWADAの情報には「多くの疑問点がある」

キルギスの首都ビシケクで開かれている独立国家共同体(CIS)の首脳会議に臨むウラジーミル・プーチン露大統領(2016年9月16日撮影)。(c)AFP/Vyacheslav OSELEDKO 〔AFPBB News

 任務完了――。これが、最近のロシア下院選挙の最終結果が出たときにウラジーミル・プーチン大統領が自分の選対本部に送ったメッセージだ。

 大統領によると、今回の選挙はプーチン氏を支えることを存在理由とする与党・統一ロシアにとっての勝利であると同時に民主主義の勝利でもあった。「我が国と我が国の政治システムは、選挙プロセスの正統性を確保できるほど安定したものになる」。プーチン氏はこう語った。「選挙結果は、圧倒的大多数の参加者とオブザーバー、そして何より重要なことにロシア社会によって、客観的かつ正当な結果として認められた」

 だが、ロシアの民主主義においては、すべてが見た目通りではない。統一ロシアは新たな下院で76%の議席を獲得し、クレムリンにとって、かつてないほど物事が容易なったものの、プーチン氏には自身の支配の長期的な未来について心配すべき理由がある。与党の明白な勝利にもかかわらず、党への支持は弱まっている。次第に多くの国民が政治への興味を失っており、その結果、プーチン氏は縮小しつつある筋金入りの支持者層に依存しているのだ。

 非政府系の選挙監視人の同盟「市民選挙委員会」を率いる政治アナリストのドミトリー・オレシキン氏は、統一ロシアに投票したのは有権者の15%にとどまったと指摘する。同党の得票率は5年前の49%から今回の54%に跳ね上がったが、それは記録的に低い投票率の結果だ。絶対数では、与党の獲得した票は2840万票で、前回の選挙から400万票減った。

 そのうえ、与党の獲得票の3分の1以上がロシアの選挙制度の暗い隅で投じられたように見える。統一ロシアが最も堅調な結果を出したのは、猛烈に高い得票率を記録したが、その他地域と比べて監視人とビデオ監視の数が大幅に少なかった権威主義的な地域だったのだ。