(英フィナンシャル・タイムズ紙 2016年9月20日付)

14歳少年、請負殺人で逮捕 フェイスブックで依頼受け メキシコ

米サンディエゴ側から国境越しに撮影したメキシコ北西部のティファナ(2014年8月20日撮影、資料写真)。(c)AFP/Mark RALSTON〔AFPBB News

 世論調査など忘れてしまっていい。米国大統領選でのドナルド・トランプ氏の勝算を知りたいなら、メキシコペソの方が優れたバロメーターになった。

 ニューヨークの大物で共和党大統領候補であるトランプ氏の勝算が再び上向いた流れは、同氏いわく強姦魔と犯罪者を輸出し、米国の雇用を吸い上げ、移民流入を防ぐ国境の壁の建設費を払うことになる国の通貨の急落に反映されている。

 メキシコの独立記念日にあたる16日金曜日、ペソは対米ドルで最安値を更新し、一時、1ドル=19.77ペソの安値をつけた。週が明けた19日のロンドン市場では、場中に19.60ペソ前後で取引されていた。

 トランプ氏が世論調査で支持率を伸ばし、民主党の対抗馬であるヒラリー・クリントン氏と事実上並んだだけでなく、一部の激戦州で追い抜いたことは、ペソを痛めつけている唯一の材料ではない。だが、ニューヨークに本拠を構える銀行の新興国市場部門のトップが言うように、「もしヒラリーが勝つと思っているなら、メキシコの資産を買いまくっているはずだ」。

 クレディスイスのアロンソ・セルベラ氏(メキシコシティ在勤)によると、ペソと米国大統領選との相関関係は、5月初旬、トランプ氏がインディアナ州の予備選で勝利を収め、対抗馬のテッド・クルーズ氏が選挙戦から撤退した時にさかのぼるという。「ペソが売られる一方、ほかの新興国通貨はすべて変わらなかった」(セルベラ氏)。

 メキシコペソは世界で8番目に売買が活発な通貨で、市場が荒れた時にほかの新興国市場のポジションに対して売るヘッジとして広く利用されている。ペソは今年、12%近く下落し、新興国通貨で最悪のパフォーマンスを見せていると野村証券のベニート・ベルベール氏は言う。

 米国の次の利上げのタイミングをめぐる不確実性のほか、産油国がすでに供給過多の市場へさらに石油をつぎ込む準備を進める中で原油価格を取り巻く不安、ほかの新興国通貨に対するドル高もペソに重くのしかかっている。