(英エコノミスト誌 2016年9月3日号)

中国進出の米企業、「大気汚染で上級職採用に苦心」

もやがかかる中国・上海の空(2015年2月8日撮影、資料写真)。(c)AFP/JOHANNES EISELE 〔AFPBB News

不備の多い中国のGDP統計にまだ強い関心が集まるのはなぜか。それは、代役の指標にはもっと頼りにならないものが多いからだ。

 中国政府の統計官たちは、首をかしげる外部の人々からかなりの批判を浴びる。だが、ここ数カ月は共産党の同志からの攻撃にも耐えている。汚職を監視・摘発している中央規律検査委員会は8月26日、2015年4月から2016年1月まで国家統計局の局長を務めた王保安氏を告発した。これによると、同氏は道徳心の喪失や「迷信的活動」など、さまざまな罪を犯したという。

 また、中央規律検査委員会は今年、東北部にある工業が盛んな遼寧省も訪れ、幅広く行われているデータの不正操作を根絶するよう地元の官僚に促している。

 こうした戒めや説教には一定の効果があるのかもしれない。中国の投資銀行、中国国際金融(CICC)のアナリストの劉流氏と梁紅氏によれば、遼寧省の経済指標が先日急激に悪化した(上半期の固定資産投資が前年同期比で58%減少した)ことには、水増しされてきた統計データから「水」を抜く努力も一部影響している可能性があるという。

 中国の統計に不備が多いことは、すでに文書などで十分裏付けられている。例えば、各省の国内総生産(GDP)を足し合わせても、中国全体のそれと一致しない。四半期の成長率と年間の成長率のつじつまが合わないこともある。また、3つあるGDPの測定方法(生産、支出、所得)のうち、生産によるGDPは不思議なほど迅速に公表されるが、支出や所得によるGDPの発表は恐ろしく遅い。

 最近の統計からも新たな疑問が浮上している。例えば、7月の民間固定資産投資は前年比で1.2%減少したが、国有企業のそれは大幅に伸びた。また、工業の指標が伸び悩んでいる一方で、サービス業の指標はしっかりしている。さらに、物価が2015年後半にデフレの域に突入したにもかかわらず、GDP成長率は6.7%を依然割り込んでいない。