(英フィナンシャル・タイムズ紙 2016年9月3/4日付)

フランスで「吟醸酒」人気じわり

2007年9月18日、フランス・パリ(Paris)のワイン販売店に並んだ日本酒の瓶。(c)AFP/STEPHANE DE SAKUTIN〔AFPBB News

 世界で最も影響力のあるワイン評論家がその厳しい鼻をブドウからコメに向けたところ、日本各地の造り酒屋が前例のない注文の嵐に直面している。

 ロバート・パーカー氏のワイン情報誌「ワイン・アドヴォケート」が日本の純米吟醸酒・大吟醸酒の初の評価ガイドを発表した。すると1日もたたないうちに、最も評価の高い78銘柄が一躍、引っ張りだこの資産になった。

 東京の高級ホテル、すしバー、ワイン収集家から、マカオのカジノ、ニューヨークのレストラン、シンガポールの大富豪に至るまで、「亀の翁・三年熟成」や「常きげん・キス・オブ・ファイア」を買おうとする業者やバイヤーが、すでに残り少ない在庫からボトルを確保しようと先を争っている。

 ガイドが発表された6時間後に日本の業者から「根知男山」を40本買おうとした香港のコレクターは、電話の向こうで笑われたという。

 ワイン収集にかかる莫大な費用とは対照的に、最高の評価を得た酒(ロバート・パーカー氏のスコアで98点という得点は、2010年物の「シャトー・ラフィット・ロートシルト」と同レベル)は1本がたったの1万円である。

 パーカー氏の評価システムで90点以上獲得した78銘柄のうち最も安い酒は1本わずか1500円で買える。78銘柄は厳選された800種類の酒から抽出されたもので、3人の専門家パネルによって評価された。