東京都新知事に小池百合子氏 初の女性

なぜ小池氏はなぜ勝利したのか、その謙虚な分析が共産党に求められている。都内で選挙演説をする小池百合子氏(2016年7月30日撮影、資料写真)。(c)AFP/KAZUHIRO NOGI〔AFPBB News

 東京都知事選挙が終わった5日後の8月5日、日本共産党は党創立94周年記念講演会を都内で開催した。ここで志位和夫委員長が「野党と市民の共闘と、日本の政治の展望」と題して記念講演を行ったのだが、相変わらずの牽強付会と言うか、ご都合主義と言うか、およそ客観性のない内容であった。

 中でも呆れてしまったのが、都知事選挙についての総括である。若干長くなるが、その部分を「しんぶん赤旗」(8月7日付)の記事から引用する。

「野党と市民が統一候補として推した鳥越俊太郎さんは、勝利はできませんでしたが、134万票を獲得し、大健闘されました・・・勇気をもって出馬され、大奮闘された鳥越さんに心からの敬意を申し上げます」

 都知事選挙の結果は、小池百合子氏の291万票に対して鳥越氏は135万票と半分にも満たなかった。ご存じの通り、大惨敗である。それが共産党にかかると「大健闘」になってしまうのである。

とても科学的とは言えない総括

 直近の参院選挙での東京選挙区の各党候補の票を見ても、大惨敗は一目瞭然である。

 鳥越氏は、民進党、共産党、社民党、生活の党などによって担がれた。これらの党は、参院東京選挙区で何票獲得していたか。民進党の蓮舫氏、小川敏夫氏、共産党の山添拓氏、社民党の増山麗奈氏の獲得した票を合算すると239万票である(生活の党は候補者を立てていない)。この選挙で蓮舫氏は、112万票獲得しているが、鳥越氏の票はせいぜいこの蓮舫氏の分程度に過ぎない。100万票も減らしているのである。「市民の票」は一体どこへ行ってしまったと説明するのだろうか。