スクーリングが男子100mバタフライで金、フェルプスら3人が同着銀メダル

リオデジャネイロ五輪、競泳男子100メートルバタフライ決勝。金メダルを手にするジョセフ・スクーリング(2016年8月12日撮影)〔AFPBB News

 リオデジャネイロ五輪では、日本の活躍が目立ったが、東南アジアの国々も華々しい活躍ぶりを見せた。例えば女子48キロ級の重量挙げ。

 銅メダルを獲得した日本の三宅宏実選手を抑えて優勝したのがタイの選手だったし、銀メダルもインドネシアの選手が獲得した。

 また、射撃男子エアピストルではベトナムが史上初の金メダル、バトミントンなどでマレーシアが銀4つと銅1つで史上最多のメダルを記録した。

 堅調な国の発展や経済とともにスポーツの実力も世界に一歩ずつ迫っており、4年後の東京オリンピックでは、今回、史上最多のメダルを獲得した日本とともに、アジア勢の活躍が見ものだ。

 中でも、日本勢とともに最も期待される星の1人が、弱冠21歳のシンガポール人(シンガポールは漢字で、「星」)の水泳選手、ジョセフ・スクーリングだ。

あのフェルペスを破った男

 今回のリオ五輪では、大方の下馬評を覆し、男子100メートルバタフライで4連覇を懸けた“怪物”(マイケル・フェルペス=米国)を破る大金星を挙げ、しかもオリンピック新記録を樹立。

 東南アジア出身の競泳選手として、さらにシンガポール建国以来史上初の金メダルをもたらし、シンガポールだけでなく、世界を驚かせ、歓喜の渦に巻き込んでいる。

 日本の1人当たりGDP(国内総生産)を抜き、建国50年でアジアで最もリッチな国家となったシンガポール。これまで“ガリ勉型”国家で知られ、エリート教育最優先の国家戦略が進められ、スポーツや芸術の人材発掘や育成はおざなりにされてきた。

 それが今回の快挙である。「これをきっかけに、シンガポールのスポーツが強くなればうれしい」(スクーリング)と言えば、リー・シェンロン首相は自らツイッターで「あなたのおかげで、今日はとても誇らしい気分だ」と喜びを全開させた。

 一方、「初めてオリンピックで母国、シンガポールの国歌(Majulah Singapura=進めシンガポール) を聞いた」「スクーリングのお父さんのシングリッシュ(シンガポールの母国語のローカル英語)にもらい泣きした」など、国内外からのシンガポール人のツイートが約40万件にまでにヒートアップ。

 さらには、国民の約75%が縁起好きな中国系らしく、さっそく、スクーリングのオリンピック記録「50.39秒」にちなみ、賭博のプールズで、「5039」の数が瞬時に完売したほど、これまでにないスポーツ界での世界一の偉業を達成した“ゴールデンボーイ”に国中が熱狂している。