来月のG20で米中首脳会談=南シナ海めぐり攻防も

米首都ワシントンで行われた核安全保障サミットに出席したオバマ米大統領(左)と中国の習近平国家主席(右、2016年4月1日撮影、資料写真)。(c)AFP/STEPHANE DE SAKUTIN〔AFPBB News

 米国と中国の間には戦争勃発の可能性があり、起きた場合、その展開は日本の動向に大きく左右される──。米国の大手安全保障研究機関、ランド研究所がこんな衝撃的な予測を打ち出した。日本の今後の対中政策や対米政策を考える上で、大いに注目すべき分析だと言えよう。

 ランド研究所は、安全保障や軍事の研究に関して米国で民間最大の組織と言われる。同研究所は、米陸軍当局からの委託で米中戦争に関する調査や研究を進め、その結果を7月末、約120ページの「中国との戦争」という報告書にまとめた。予測期間は2025年までとされている。

米中戦争の勃発は十分にありうる

 同報告書の副題には「考えられないことを考える」とある。報告書はまず、「米中戦争は両国に与えるダメージがあまりに大きいため、起こり得ないとされてきたが、現実はそうではない」とし、誤算や事故による米中戦争の勃発は十分にあり得ると述べる。

 その背景としては、以下の骨子を記していた。

「米中両国は、軍事的な対決や衝突につながる地域紛争での対立案件を抱え、その地域周辺に大規模な軍事力を保っている。そのため両国は、偶発的な衝突や危機が勃発した場合、攻撃される前に率先して攻撃に出ることへの動機が両国いずれの側にも強く存在する。