サウジ、「ポケモン禁令」を復活 スマホゲームめぐり質問殺到

サウジアラビアの首都リヤドで「ポケモンGO」をプレーする男性(2016年7月17日撮影)。(c)AFP 〔AFPBB News

 ブームとしての「ポケモンGO」はともかく、世界を駆け巡った関連ニュースで1つだけ、気になったものがあった。サウジアラビアで、反イスラム的だとして禁止令が出たというニュースである。

 改めて調べると、それはポケモンGOに対してではなく、イスラム教聖職者団体が2001年にポケモンのカードゲームに対して出した宗教令を、再確認したというものだったようだ。

 ポケモンはなぜ反イスラム的なのか。ギャンブル性があるからというのも理由の1つらしいが、ポケモンが「進化」を標榜している点が問題だという。

生態学から見たポケモン

 ポケモンと進化については、個人的にいくらか因縁がある。進化に対するリテラシーを普及する上で活用できないか、何年か前に検討したことがあるのだ。

「ポケモンといえばピカチュウ」という知識しかなかったため、まずはポケモンについて、小学生だった姪っ子に教えを請うた。その結果、ポケモンワールドはとても教育的であることを初めて知った。ポケモンことポケットモンスターは、ポケモンワールドという生態系を舞台にした進化劇を模したものだったのだ。

 どういうことかと言えば、生物は皆それぞれ、生態系においてそれぞれの居場所を持ち、そこでの独自の役割を担っている。

 アフリカのサバンナに生息する草食性の哺乳類でも、草の葉先を食べるもの、硬い葉を食べるもの、茎を食べるものというように、1本の草を食べ分けている。さらには木の芽を食べるもの、木の葉を食べるものもいる。生態系においてそれぞれの役割を担っているのだ。この役割を、生態学では「生態的地位(ニッチ)」と呼んでいる。