「大統領は何度も書き直した」=広島演説めぐりオバマ氏側近-米

広島の平和記念公園で、演説に臨むバラク・オバマ米大統領(2016年5月27日撮影、資料写真)。(c)AFP/JOHANNES EISELE〔AFPBB News

 オバマ大統領が広島を訪れた際に語った「核兵器のない世界の実現」という言葉は、今年の広島原爆の日に広島市長によってなされた「平和宣言」や、同じく安倍首相の「あいさつ」でも繰り返して取り上げられた。日本では、アメリカにそのような方向へ向かってほしいという期待を込めて、オバマ大統領の広島訪問や「核兵器のない世界の実現」という言葉は評価されているようである。

 しかしアメリカでは、オバマ大統領の理想はあまり関心が持たれていない。

 オバマ大統領が日本やヨーロッパで口にしている「核兵器のない世界の実現」といった表現や、広島訪問というパフォーマンスをきっかけとして核軍縮を実現させようという反核団体なども存在する。だが、軍事関係者も一般の人々も、「核兵器のない世界」が実現するとは到底思っていない。

 その最大の理由は、多くのアメリカ国民は、アメリカ軍が7100発もの核弾頭を保有し、ロシアや中国の核戦力に睨みを効かせている現状を知っており、「核兵器のない世界」が異次元の世界に感じられるから、ということであろう。

1538発の核弾頭が実戦配備中

「アメリカが7100発の核弾頭を保有している」という表現は軍事的には正確性を欠いているといえるかもしれない。7100発(正確には2016年夏現在で7071発)のうち2500発が「退役済み核弾頭」だからだ。これらの核弾頭は、もはや実戦用兵器貯蔵庫に収納されておらず、廃棄処理を待っている状態である(ただし、それらの核弾頭は解体するまでは現役復帰させて再び使用することも不可能ではない)。