スバルが採用した歩行者保護用のエアバッグ(筆者撮影)

 スバル(富士重工業)は7月26日、今秋に発売予定の新型「インプレッサ」の国内仕様車を初公開した。

 注目されるのは、日系メーカーでは初となる歩行者保護エアバッグの採用だ。

 これは、歩行者などと衝突した際、フロントガラス下部にエアバッグが広がり、歩行者の頭部の衝撃を軽減するもの。スウェーデンのボルボが2013年に採用したのが世界で最初とされている。スバルの場合はボルボと違いエアバッグがボンネットを押し上げないため、発火装置の数を軽減するなどコストを抑え、大衆車「インプレッサ」での標準装備を実現した。

歩行者に衝突してエアバッグが開いたときの様子(写真:富士重工業)

 また、今回のフルモデルチェンジを受け、「ぶつからないクルマ?」のCMでお馴染みの「アイサイト」(ver.3)を標準装備とする。現行「インプレッサ」では一部のモデルのみに装備されている。

 こうしたスバルの事業戦略は中期経営戦略「際立とう2020」に準じるものだが、「歩行者保護」という観点では、今年2016年、さらに2年後の2018年の動きがカギとなる。

欧州での販売を左右するユーロNCAPの評価

 自動車の歩行者保護機能を開発する際、大きなハードルとなるのが歩行者の認識だ。歩行者は車両などの障害物と違って高さや幅などに差があり、またクルマの進行方向に対して横方向に動くため、的確に認識することが難しい。