医薬品で13人失明?ドイツ製薬会社が責任を否定

仏ランスにある病院の眼科で目の検査を受ける女性〔AFPBB News

 群馬大学で手術後の死亡例が相次いだ問題で、大学から依頼された第三者事故調査委員会は、7月30日に報告書を提出した。

朝日新聞の報道によると、主な問題点は以下だ。

(1)2009年度に同じ男性医師による手術の後に8人が死亡していたのに、対応をとらなかった。
(2)旧第2外科では男性医師1人に手術が集中。支援の体制がなかった。
(3)男性医師の腹腔鏡手術の技量に疑問を持つ同僚医師から手術の中止を求める声が出たが、教授が聞き入れなかった。

(4)旧第1外科と旧第2外科の間に競争意識があり、連携がなかった。
(5)病院は体制を整えないまま、手術数を拡大。
(6)死亡した18人のうち院内の安全管理部門に報告されたのは1人のみ

責任を問われない教授たち

 群大は、今回の指摘を受けて、組織改革を進めるだろう。既に2015年4月には、2つの外科を「外科診療センター」にまとめている。

 ただ、私は、こんなことをしても問題は解決しないと思う。

 問題を起こした旧第2外科の竹吉泉教授は、いまだに教授職にあるし、ホームページの「教授挨拶」では、医療事故の件に全く触れていない。

 そればかりか「当教室のスタッフだけでほとんどの外科診療についてカバーでき、どのような患者さんが来院されても対応可能な体制をとっています」と主張する始末だ。当事者意識がない。

 さらに、旧第2外科のライバルと評された第1外科の桑野博行教授は、4月14日に大阪市で開催された日本外科学会の会合で、来年度の学術集会の会頭に選出された。

 オピニオン誌『選択』の6月号に掲載された「日本外科学会 医療を腐らせる「黒い利権装置」」によれば、会頭の選出では理事長の渡邊聡明・東京大学教授(腫瘍外科・血管外科)が推す東大閥の候補と、九州大学の推す桑野群大教授が対決した。