医療費削減のため、高額な薬剤については保険適応の投与対象者を選別する方針が打ち出された(写真はイメージ)

 7月21日の報道によると、中央社会保険医療協議会(中医協、厚生労働相の諮問機関)が「高額な新薬の適性投与に指針を制定する」方針を立てているとのことです。

 投与制限の対象となる薬の第1弾は、がん免疫治療薬の「オプジーボ(ニボルマブ)」です。オプジーボは、免疫力を高めてがんを攻撃する画期的な新薬で、理論上は全てのがんに効く可能性があります。

 ただし今回の政策では、オプジーボについて「効果が見込まれない」基準を制定し、その基準に合致する場合は投与を制限することになります。効果が見込まれないと診断する基準については、今後半年間で決定するとのことです。

 これまで、日本では国民皆保険のもと、効果の上がる可能性がきちんとしたデータで示された薬剤については、認可に時間が多少かかることはあっても、続々と健康保険適応となってきていました。ですから、適応とされている薬に対して、“効果が上がる可能性が低いかもしれない“という理由で投与制限がかかることは極めて異例です。

 オプジーボは、効果は非常に高いのですが、コストが年間1人当たり3500万円もかかります。ここまで高額な薬剤については、保険適応の投与対象者を選別して、公費負担を減らそうというのが狙いです。

 とはいえ、これほどの金額になると、患者が自費で治療を受けることはほぼ不可能でしょう。よって、保険適応対象者の基準から外されることは、その方にとって事実上のがん治療終了宣告となります。私たちが医療を受ける際には必ず「保険が適応されますか?」と確認しなければならない時代がやって来るということかもしれません。