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【連載第6回】スマートフォン、SNSの普及に加え、測位技術の発展、さらにはドローンなどの新技術出現によって「位置情報ビジネス」が飛躍的に進化している。そう、世界は今「位置情報3.0」時代に突入しているのだ。 本連載では位置情報を活用したビジネスを取り囲む様々なテクノロジーの現状を大前研一氏が解説します。

野球場でも“位置”を使ったアプリが活躍

 野球観戦の場でも、さまざまに位置情報が駆使されています。

 米国のメジャーリーグベースボールは、「MLB.com Ballpark」というアプリを開発し、メジャーリーグ観戦に関する多様なサービスを提供しています(図-20)。

 まず、スタジアムにアプリ利用者が近づくと、そのスタジアムで当日行われる試合情報をポップアップ表示。ゲートまで来ると入場用のバーコードをディスプレイに表示し、座席の場所を提示してくれます。

 アプリはポイントカードも兼ねているので、その使用頻度=“ファン度合い” によってディスカウントなどのメリットもあります。

 スタジアム内の売店やレストランに近づくとクーポンがプッシュ送信され、そのクーポンを使用する際には「このお客さんはシーズンチケットのお客さん」など、どのような客かを店側が把握できます。もちろんスタジアム内のトイレやゲートなどの地図機能も備えています。

図-20 野球場で提供されるサービス
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