今年7月に米グーグルが、航空便情報のソフトウエアとサービスを手がける米ITAソフトウエアを買収すると発表していたが、これに対し旅行予約サイトの運営会社が反対団体を結成した。

 「買収が成立すればオンライン旅行予約サービスがグーグルに独占される」と主張し、米司法省などに働きかけている。

 「フェアサーチ(FairSearch.org)」と名付けたこの団体に参加しているのは米エクスペディア、米カヤック・ドットコム、セイバー・ホールディングス、フェアロジックスの4社。各社は合計7ブランドの旅行予約サイトを運営している。

航空便オンライン予約で65%のシェア

 ITAソフトウエアは、マサチューセッツ工科大学(MIT)のコンピューター科学者が1996年に設立した会社。同社のソフトウエアは、フライトスケジュールや運航路線、運賃などの情報を管理し、これらの情報をまとめて検索できる。

 航空業界や旅行業界で採用されており、航空便オンライン予約の市場では65%のシェアを持っている。

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米グーグル、ITAソフトウエアの買収を発表したが・・・〔AFPBB News

 グーグルは7月1日、このITAを7億ドルの現金で買収することで合意したと発表。現在規制当局の承認を待っている段階だが、買収が成立すればこれまでにないフライト情報検索ツールを開発するとしている。

 航空会社や路線、発着時間、価格を比較できるようにし、航空券のオンライン購入が容易になるとしている。

 ただグーグルはオンライン航空券事業を始める計画はないと説明している。これらの仕組みをサービスとして提供するもようで、それにより航空会社や旅行代理店のサイト利用が増えると同社は見ている。

グーグルに誘導されると反発

 ところが旅行予約サイト側が指摘しているポイントはそこではないようだ。各社のサイトに訪れるユーザーのうち、30%がグーグルの検索サービス経由でやってくる。

 「この買収が成立すれば、グーグルはそうしたユーザーを自社の有利なように誘導できる」。そう主張している。