知的好奇心をくすぐる読み物サイト「biblion」から選りすぐりの記事をお届けします。

【連載第2回】スマートフォン、SNSの普及に加え、測位技術の発展、さらにはドローンなどの新技術出現によって「位置情報ビジネス」が飛躍的に進化している。そう、世界は今「位置情報3.0」時代に突入しているのだ。 本連載では位置情報を活用したビジネスを取り囲む様々なテクノロジーの現状を大前研一氏が解説します。

 本連載では大前研一さんが「位置情報ビジネス」を中心に、テクノロジーを活用した新しいビジネスモデルの実例を解説します。連載第2回は、「GPS」に始まる位置情報利用がモデル2.0、3.0とどう変わってきたのか、これから位置情報利用市場はどう広がるのかについて大前研一さんにお話いただきました。

GPS登場から現在まで。位置情報の変遷

1.0〜2.0時代を経て、暮らしに密接した位置情報の時代が到来

「位置情報」という言葉そのものは、まだ聞き慣れない方もいらっしゃるかもしれません。しかし現実には、この位置情報はすでに、私たちの暮らしと切っても切れない存在になっています。

 位置情報は、スマホやSNS、センサー技術、測位技術等を利用して取得する、人やモノの位置に関する情報です。そうした対象物の位置情報を利用し、事業に展開したのが位置情報ビジネスです。位置情報ビジネスは1990年代後半あたりから現在まで、主に3つの段階を踏みながら発展してきました(図-1)。

図-1:位置情報・地理空間情報ビジネスの進化
拡大画像表示