「服を脱げば、あなたもペッパー!」 SBのおしゃべりロボを直撃取材

孫正義氏の並外れた情熱が生みだしたソフトバンクのロボット「ペッパー」(資料写真)。(c)AFP/Yoshikazu TSUNO〔AFPBB News

 ソフトバンクの孫正義社長が後継者と位置づけていたニケシュ・アローラ副社長が、6月22日の株主総会で退任し、今まで通り孫社長が経営を続けることになった。彼の後継者と目される人物は他にはいないので、彼の言う通り「あと5~10年は社長を続ける」ことになるだろう。

 これは正しい決断である。私も昔からソフトバンクを見てきたが、よく悪くもソフトバンクは孫氏の個性で生まれ、成長してきた会社であり、失敗もたくさんあったが、彼のカリスマ的な求心力で乗り超えてきたのだ。

常識破りのギャンブルで成長したソフトバンク

 アローラ氏は2014年にグーグルの最高事業責任者からソフトバンクに引き抜かれ、アジア各国で企業買収を手がけてきた。年俸は昨年が165億円、今年はこれまでに80億円で、彼は600億円でソフトバンク株を買うなど、経営への強いコミットメントを示していた。

 しかし社内では、当初からアローラ氏が後継者になるのは無理だという声が多かった。ソフトバンクがこれまで急速な成長を続けてきた原因は単なる企業買収ではなく、孫氏の常識破りの発想と、社員を引っ張ってゆくカリスマ性だからだ。

 ソフトバンクはもともと、その名の通りソフトウエアの卸し売り業者で、孫氏は通信にはまったく素人だった。2001年に「ヤフーBB」でDSL(デジタル加入者線)に参入したのは、ITバブルで儲かって資金が余ったためだったが、参入した直後にバブルが崩壊し、資金繰りがつかなくなった。

 技術的にも、ソフトバンクのモデムはNTTの回線では干渉が起こって使えないことが判明した。NTTも電話局の設備をソフトバンクが使うことに難色を示した。ところが追い詰められた孫氏は、自社のモデムを日本でも認可するよう総務省を相手に行政訴訟を起こし、使用を認めさせた。