(英エコノミスト誌 2016年6月4日号)

安倍首相、英のEU残留支持を表明 日英首脳会談後に共同会見

英ロンドンの首相官邸で日英首脳会談に臨むデービッド・キャメロン英首相(写真中央、2016年5月5日撮影)。(c)AFP/Frank Augstein〔AFPBB News

「ブレグジット(英国のEU離脱)」は、スコットランド独立の是非を問う2度目の住民投票につながる可能性がある。だが、一番心配すべき場所は北アイルランドだ。

 欧州連合(EU)からの独立を熱望するブレグジット支持派がしばしば、英国(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国、UK)からのどの構成国の独立にも強く反対するのは皮肉なことだ。だが、ブレグジットはスコットランドと北アイルランド、そしてある程度はウェールズに多大な影響を及ぼす。

 3地域すべてにおいて、議論はイングランドほど活発ではない。もしかしたら有権者の過半数が(欧州に対して各地域がイングランドほど熱心でなかった1975年の国民投票*1とは異なり)EU残留派を支持する見込みだからかもしれない。

 だが、この事実は、ブレグジットが万一起きるようなことがあれば、それはケルト系の周縁地域沿いの多くの人の意思に反し、イングランドの有権者によって強いられることを意味する。

 そうなったら間違いなく、スコットランド人は激怒するだろう。彼らはブリュッセルのことを、ロンドンに代わる権力の中枢のような存在と見なしている。スコットランド議会での最近の議論では、主要政党5党がすべてEU残留を支持していることが分かった。各種世論調査は、最大でスコットランド有権者の75%がこれに同意する可能性があることを示唆している。

 残留支持派はイングランドで、ブレグジットは(2014年に55%対45%で最初の住民投票に負けたにもかかわらず)盛り返したスコットランド民族党(SNP)が勝つかもしれない2度目の住民投票の引き金を引くと警告し、「スコットランド・カード」を使って自陣営の立場を強めようとしてきた。

*1:EUの前身である欧州共同体(EC)加盟継続の是非を問うた国民投票のこと